インフルエンザ予防接種

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インフルエンザ予防接種について

インフルエンザの流行は、その年によっても異なりますが、例年12月から3月にかけて流行しします。しかし昨年から今年にかけては散発的に発生しており急速に増加傾向がみられています。さらに流行が拡大する可能性があり、重症化を防ぐためにもインフルエンザワクチン接種をお勧めいたします。
また、インフルエンザ予防接種後の抗体は接種後約2週間から上昇し始め1ヶ月でピークに達し5ヶ月間ほど継続すると考えられております。

これらを考えると毎年11月下旬から12月初旬までの接種を受けることを当クリニックではお勧めいたします。

フルービックHAワクチンについて

当院では、フルービックHAワクチン( チメロサール:防腐剤未使用)も取り扱っております。

3才以上から接種可能です。

チメロサールは、殺菌作用のある水銀を含む防腐剤です。
一般の予防注射(不活化ワクチン)には細菌汚染を防ぐためチメロサールと呼ばれる防腐剤(有機水銀)が含まれています。1つの瓶から数人分を注射器で吸い分けて使用するため、防腐剤が添加してあるのです。

現在、ワクチンに含まれるごく少量では,健康被害などの報告やそのほか有害事象との因果関係を証明する研究報告もありません。しかし水銀暴露を避けるためチメロサールを使用しないことが望ましく、日本を始めとする先進国はチメロサールを減量もしくは使用しない予防接種を目指しております。

またWHOではチメサロールを可能な限り減量し将来的に完全にとり除くことが望ましいとしています。フルービックH Aシリンジワクチンは1つの注射器が1人分となっています。ワクチンを無菌状態に保つため、1人分ずつ個別の注射器につめて製造されている、手間のかかった生産量が少ない非常に貴重なワクチンです。そのため、価格が上昇しており流通量が少ない要因となっております。

チメロサールを含まないチメロサールフリーワクチンは有機水銀の体内蓄積と副作用の心配がないだけでなく、アレルギー反応のリスクが少なく、注射時の痛みや腫れ、かゆみも軽減されると言われておりお子様にも安心です。
生産量が少ないため数に限りがあります。なくなり次第終了となりますので早めにご相談ください。

持ち物

  • 健康保険証や運転免許など本人確認できるもの
  • 専用の予診表(受付、または以下よりダウンロードください)

接種するにあたってのご注意

  • さいたま市在住で、満65歳以上の方 その年の規定の金額で接種できます。(2023年度 1,600円、フルービックは追加金400円です。)
  • 埼玉県内にお住まいでさいたま市外の満65歳以上の方はお住まいの市町村と同じ費用で接種できます。予診表は、居住地のものを持参ください。
  • 無料券、満65歳以上の生活保護、非課税世帯の方は無料となります。証明できるものをご持参ください。

よくある質問

Q:インフルエンザワクチンを接種する時期はいつがよいですか?

インフルエンザは例年 12 月~3 月頃に流行し、1 月~2 月に流行のピークを迎えます。
ワクチン接種による効果が出現するまでに 2 週間程度を要することから、12 月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。

 

Q:新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種はできますか?そのほかのワクチン接種間隔は?

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種が認められております。単独で接種した場合と比較して、有効性及び安全性が劣らないと報告がされています。当院では、同時に接種し副反応が出た場合、どちらの副反応のものか分からないので、同時接種は推奨しておりませんが、同時接種をご希望な場合はご了承の上接種可能です。
新型コロナワクチンと、インフルエンザワクチンの接種間隔は2週間以上の間隔を空けるようにご案内しております。

生ワクチン(BCG、麻疹・風疹、水痘、おたふくかぜ、帯状疱疹)を接種した場合は27日以上の間隔を空けてください。
不活化ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌、シングリックス帯状疱疹)は、他の種類のワクチンとの間隔を空けなくても良いとされておりますが、当院では2週間以上の間隔を空けて接種するようご案内しております。

Q:子供の2回接種の間隔はどのくらいあければよいですか?また、他の予防接種との間隔は?同時接種もできますか?

インフルエンザワクチンの接種間隔はおよそ1~2週間とされていますが、免疫の獲得を良くするため、当院では2週間以上の間隔をおいての接種を勧めております。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので、接種後1週間経てば他のワクチンを受けられますが、接種の順番や間隔、対象年齢などに注意が必要です。

1ヶ月以内に他のワクチンの接種を受けた方(または受ける予定のある方)、他のワクチンとの同時接種をご希望の方は、受付窓口かお電話でご相談ください。

経過観察に必要性から、基本的に当院で2回とも接種していただくようお願いしております。

Q:インフルエンザワクチンは本当に効果があるのですか?

インフルエンザにかかる時はインフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入ってくることから始まります。体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。この状態を「感染」といいますが、残念ながらワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。

ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が起こります。
この状態を「発症」といいます。ワクチンには、この発症を抑える効果が一定程度認められています。

発症後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。特に基礎疾患のある方や御高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。

ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防する効果です。

※平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では、65歳以上の老人福祉施設・病院に入所している高齢者については 34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。

以上のように、インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、また、たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください。

Q:昨年ワクチンの接種を受けましたが、今年も受けた方がよいでしょうか?

季節性インフルエンザワクチンでは、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した(13歳未満の場合は2回接種した)2週後から5か月程度と考えられています。(5ヶ月経つと免疫が全く無くなるわけではありません)
また、インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されています。
このため、インフルエンザの予防に充分な免疫を保つためには毎年インフルエンザワクチンの接種を受けた方がよい、と考えられます。

Q:インフルエンザワクチンの接種を受けられない人は?

以下に該当する方は予防接種を受けることが適当でない又は予防接種を行うに際して注意を要するとされています。

【予防接種を受けることが適当でない者】

  • 明らかな発熱を呈している者(およそ37.5度以上)
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  • インフルエンザ予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  • そのほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

【予防接種の判断を行うに際して注意を要する者】

  • 予防接種で接種後 2 日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  • 過去にけいれんの既往のある者
  • 過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  • 間質性肺炎、気管支喘息などの呼吸器系疾患を有する者
  • 接種するインフルエンザワクチンの成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者

Q:インフルエンザワクチンの接種による副反応はありますか?

免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。
これを副反応といいます。季節性インフルエンザで比較的多くみられる副反応には、接種した場所(局所)の赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)等が挙げられます。接種を受けられた方の 10~20%に起こりますが、通常 2~3 日でなくなります。全身性の反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが見られます。接種を受けられた方の 5~10%に起こり、こちらも通常 2~3日でなくなります。

また、まれではありますが、ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、赤み(発赤)、掻痒感(かゆみ)、呼吸困難等)が見られることもあります。ショック、アナフィラキシー様症状は、ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いことから、接種後30分間は安静にし、お子さんの場合は目を離さないようにしてください。また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。