帯状疱疹の症状、予防法について_backup

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帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる、痛みをともなう皮膚湿疹です。

水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうを起こすウイルスと同じで、はじめて感染したときは、水ぼうそうとして発症します。

 

ウイルスは、水ぼうそうが治った後も体の神経節(神経の細胞が集まった部分)に潜んでおり、

季節の変わり目など、風邪などで体調を崩し、免疫力が低下した際に発症することが多いです。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の主な症状は、体の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う発疹です。

この症状は 帯状 に広がることが多いので帯状疱疹と呼ばれます。

痛みを伴う発疹は、まもなく小さな水疱(水ぶくれ)に変化すると次第に数を増し、一部には膿がたまります。

軽い痛みで済む方もいますが、皮膚と神経の両方でウイルスが増殖して炎症が起こるため、強い痛みを感じることが多い病気です。

 

その後かさぶたとなって皮膚症状は治癒し、同時に痛みも治まります。皮膚症状が治癒した後も痛みが残ることがあります。

 

残った痛みは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれ、一定の頻度で発症してしまいます。

帯状疱疹後神経痛は、6か月から1年以上になることもあります。

帯状疱疹の治療

原因となるウイルスに対しては 抗ウイルス薬 、痛みに対しては 消炎鎮痛薬 を用います。
水疱(水ぶくれ)がつぶれて細菌感染した場合は 抗菌薬 を使用します。

 

■抗ヘルペスウイルス薬
ウイルスの増殖を抑制し、病気の期間を短縮します。

■消炎鎮痛薬
痛みを和らげるお薬です。

早期発見・早期治療でウイルスの増殖を抑え、皮膚への炎症や痛みの重症化を防ぐことが重要ですが、

初期段階では、虫刺されやかぶれ、他の皮膚疾患などと思い違いをする方が多く、難しいことが現状です。

 

 

帯状疱疹の予防

日常の予防で最も大切なことは、免疫力を低下させないことです。

 

また、帯状疱疹の発症リスクが高くなる50歳以上の方は、ワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することができます。

帯状疱疹ワクチンの予防接種により、

  • 発症を予防できる。
  • 発症しても軽症ですむ。
  • 帯状疱疹後神経痛を予防できる。

といった効果が期待できます。

 

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。

  • 帯状疱疹ワクチン(ビケン)帯状疱疹ワクチン(ビケン)
  • シングリックス®シングリックス®

詳細は以下の通りです。

 

従来の帯状疱疹ワクチン
(ビケン)
シングリックス®
摂取回数 1回 2回(2ヶ月あける)
効果 帯状疱疹発症が、51.3%減少
帯状疱疹後神経痛が、66.5%減少
重症化が、61.3%減少※1
50歳以上で発症が、97.2%減少
70歳以上で発症が、91.3%減少
70歳以上で発症後神経痛が、88.8%減少※2
副反応 少ない 【局所】疼痛78.0%、発赤38.1%、腫脹25.9%。いずれも平均3日間で改善する。
【全身】筋肉痛40.0%、疲労38.9%、頭痛32.6%。※3
効果期間 3~11年で予防効果が減弱する可能性あり※4 9年間継続※5
免疫抑制患者への使用 不可
費用 8,000円程度の施設が多いです
※当クリニックでは、行っておりませんのでご注意ください
22,000円(税込)/1回

 

参考文献

 

接種ができない人、あるいは、注意を必要とする人もいますので、接種にあたってはご相談ください。