みなさんは、2020年に世界的大流行を引き起こした新型コロナウイルス以外に、人に風邪を引き起こすコロナウイルス(以下、「季節性コロナウイルス」)が4種類いることをご存じでしょうか?それらウイルスは、ヒューマン コロナウイルス(Human Coronavirus; HCoV)-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-229Eと呼ばれており、古いものでは1960年代には発見されていて、既に人類と共存しています(下表)。
日本で発生しているコロナウイルス感染症の原因病原体
種類 | 学術名 | 発見年 | グループ |
---|---|---|---|
季節性 コロナウイルス |
HCoV-OC43 | 1960年代 | ベータ |
HCoV-229E | 1960年代 | アルファ | |
HCoV-NL63 | 2004年 | アルファ | |
HCoV-HKU1 | 2005年 | ベータ |
新型コロナウイルス感染症は、無症状の方もいる一方、重症化したり亡くなってしまう方もいる恐ろしい感染症と認識されています。一方で、季節性コロナウイルス感染症は、発熱、鼻咽頭炎などの軽い症状が中心とされていますが、風邪のウイルスとして片付けられてしまうことが多く、これまであまり研究されてきませんでした。